最近、特に保健医療の分野で、のリアルワールドデータ(Real World Data: RWD)という言葉が盛んに使われています。
さて、この定義について考えてみたいと思います。
リアルワールドデータの定義
リアルワールドデータは、実際の業務で得られるデータであり、日々蓄積されてくデータを指します。主に保健医療の分野でよく使われますが、その他の分野でも使われます。日本でも大規模データベースがいくつか構築されており、それらの整備状況は諸外国にも見劣りしないようになってきています。また、疫学研究に関しては、データベースを用いた研究成果が多く見られるようになりました。昨今では疫学研究のみならず、医薬品や医療機器の製造販売後調査や治験も含めた臨床研究に幅広く利活用することが期待されています。
どのようなデータベースが含まれるのか?
リアルワールドデータは、基本的にデータベースに蓄積されます。
代表的な医療系データベースには下記のようなものがあります。
- 電子カルテ
- レセプト
- DPCデータ
- 介護保険データ
- 疾患レジストリデータ
リアルワールドデータに含まれるのか微妙なデータ
リアルワールドデータの定義が曖昧なため、定義に含まれるか否かが判然としないデータもあります。
その代表が、ゲノムデータではないでしょうか。
ゲノムといっても細菌やウイルスのデータベースもありますが、ここではヒトゲノムについて考えてみます。
ヒトゲノムは、日々の診療で得られるデータはないです。これがリアルワールドデータに含まれないと主張する側の見方だと思います。
そして、現在のところヒトゲノムを計測するためには、最先端の機器を使ったとしても数時間かかるようです。
しかし将来的に診療検査項目に含まれる可能性があります。そうなると、ひとつの検査データとしてリアルワールドデータに含まれることになります。
しかし一方で、ゲノムデータを扱うためには専門性が必要です。たとえ医師免許を保有していたとしても簡単に分析できるスキルを保有しているわけではないのです。
一方で、電子カルテなどのリアルワールドデータは、医学の素人でも比較的簡単に扱えます。
このように、個人的には誰でも扱えるような汎用性があるものがリアルワールドデータと言われているような気がします。
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